胸郭と上肢のバイオメカニクス

文献

みなさんこんにちは。佐賀県嬉野市を拠点にゴルフ専門整体&トレーニングを行っております、

Re:Active(リアクティブ)です。

本日も文献をベースに進めていきます。

参考、引用文献は以下になります。

胸郭と上肢のバイオメカニクス 飯田博己 岩堀裕介

はじめに

肩の痛みを訴える患者の臨床検査では肩甲帯と胸椎の肢位と可動性の評価を行うことがよくある。胸椎の伸展運動は正常な肩甲骨の機能にとって重要であり、この運動の障害は肩峰下インピンジメントや肩の痛みの発症に寄与する可能性がある。また、姿勢調整で胸椎の伸展運動が制限されると、健常人であっても上肢挙上可動域が減少する事はよく知られている。このように脊柱の運動は上肢挙上運動に直接的に影響すると考えられる。また、間接的には胸郭後面の形状を変えることで肩甲胸郭関節の運動機能に影響を及ぼす。

胸郭の構造

胸郭は胸骨、12対の肋骨および肋軟骨、12個の胸椎から構成され、かご状に組み合わさって胸部の壁を作っている骨格である。前方では上位7対の肋軟骨それぞれが胸骨と直接関節を形成する。第1肋軟骨と胸骨の間には関節腔は形成されず、軟骨結合で連結する。第8‐10肋軟骨は1つ上位の肋軟骨に連結して連なり、肋骨弓をなす。第11・12肋軟骨は短く、ただその肋骨の末端を覆うのみである。また他の肋軟骨や胸骨と連結しない。第11・12肋骨は胸骨に達せず、遊離して終わるから浮遊肋という。

椎間関節

胸椎には両側それぞれ12対、計24対の椎間関節がある。隣接する椎骨の上下関節突起により形成される滑膜関節である。各関節は垂直から約15°-25°前方傾斜しており、おおよそ前額面に近い関節面を有する。胸腰椎移行部では腰椎と同様に矢状面に近くなる。

肋椎関節

肋骨頭と胸椎の関節突起が2種類の滑膜性の肋椎関節を形成する。肋骨頭には2つの関節面が存在し、下方の大きな関節面は肋骨と同じ番号の椎体と関節を成す。一方、上方の小さな関節面は一つ上の椎体と肋骨頭関節をなす。

胸郭の4つの領域

●第1、2胸部リングの脊椎胸骨柄(上位胸郭)領域

●第3‐6胸部リングの脊椎胸骨(中位胸郭)領域

●第7‐10胸部リングの脊椎軟骨(下位胸郭)領域

の3つに加え、

●第11、12肋骨の胸腰椎部領域

4つ目は胸骨に付着していないため、「リング」に含まれない。

上位胸郭領域

第1、2胸椎、第1、2肋骨、および胸骨柄が含まれる。第1胸椎と第7頸椎を連結する上関節突起の関節面は前額面にあり、第2胸椎と連結する下関節突起の関節面は水平面と矢状面の両方にわずかな弯曲を示す。

中位胸骨領域

第2胸椎の下半分から第6胸椎の上半分、第3‐6肋骨、および胸骨が含まれる。棘突起は長く、細く、重なっている。その先端は、同じ椎骨の横突起の3横指下方にあり、正中線より逸脱していることが多い。椎間関節の関節面は、水平面と矢状面の両方でわずかな曲線を示している。この関節面が多方面多方向の動きを可能にしている。上関節突起が前額面を向いていることで、下位の椎骨上で上位椎骨が後方から前方に並進する力に抵抗する。

下位胸骨領域

第6胸椎の下半分から第10胸椎、および第7‐10肋骨がこの領域を構成する。この領域の椎骨は中位胸郭領域とは異なり、棘突起は短くなるが、まだ下方を向いていて、先端が下位椎骨の横突起とほぼ同じ高さにある。

横突起の関節面は平らで、前外側および上方を向いている。そのため、肋骨が上下方向に動く際は、それぞれわずかな回旋を伴って後内側・前外側に滑る。肋横突関節の関節面の向きは上肢と胸郭からのより大きな負荷に対応する。

胸腰椎部領域

第11、12椎骨と第11、12肋骨が含まれている。第11胸椎の関節突起の関節面は中位・下位胸郭領域の関節面に似ている。第12胸椎の上下関節突起の関節面は、それぞれ前額面および矢状面を向いている。第1腰椎との連結部では軸回旋を制限する。第11・12胸椎の向きは軸回旋を制限しない。

胸郭の3つの運動面における運動

成人の胸椎は自然立位で約40°‐45°の後弯を示す。胸椎個々の分節的な動きは比較的小さいが、胸椎全体にわたって生じた連結した運動はかなり大きい。矢状面、前額面、水平面の運動面での胸椎の方向と程度は、各領域の静止肢位、椎間関節関節面の向き、胸郭の固定作用、および椎間板の相対的な厚みなどいくつかの要因に影響される。

胸郭の屈曲と伸展の程度は尾側でより大きくなる。これには、尾側における浮遊肋の存在や椎間関節の向きがより矢状面を向いていることが影響している。

胸郭の側屈は、椎間関節が前額面であることから、相対的には自由であるが肋骨の固定がもたらす安定性により制限される。

上肢挙上に伴う胸郭運動について

Edomondstonらは写真画像とX線画像にて無症候者の両上肢前方挙上時における矢状面上の胸郭伸展運動を分析した。両上肢最大挙上によって胸郭は伸展し、その程度は上部よりも下部で大きいことが報告された。

Theodoridisらは片側上肢挙上時に上位と中位胸郭に生じる運動パターンについて検討した。結果は、中位胸郭対して上位胸郭は、上肢挙上と同側への回旋と側方移動を示すことを明らかにした。これは臨床的にも観察することができる。ただし、連結運動には多様性があり、この運動課題に対する上肢帯の使い方、モーターコントロール戦略の違いが反映されるものと考えられる。

千葉らは胸椎の伸展運動が上肢挙上運動に直接的に関与し、肩甲骨の運動に必要な運動面を形成する事に寄与すると報告している。ただし、ここでも個人内、個人間でのばらつきが存在し、多様性が示されている。

文献を読んでの感想

今回の文献を通して上肢の運動と胸郭、特に胸椎の運動の関連について改めて学ぶことができた。

上肢挙上という動作の中で胸椎伸展が不足する事のデメリットは非常に大きく、実際これまでに肩の疾患に介入を行う中でもこの胸椎伸展と肩甲骨の内転、後傾という部分へのアプローチに関しては非常に難渋する事が多かった(今でも難渋します・・・)

上肢への介入、特に上肢挙上においては切っても切り離せない部分になるので介入方法も含め今後も学んできたい。

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